今回のお悩み
自分自身が未熟で、基本的な業務を覚えることでも精一杯なのに、「後輩を指導する」なんて無理だと思います…。
先輩という立場で仕事をしていく不安、どうすれば解消できますか。
まずは「自分を信じる」こと
初めて新人や後輩の指導を任されることになったのですね。
「後輩指導は大変そうだし、自信がない」「まだ業務を覚えることだけで精いっぱいなのに…」と不安な気持ち、わかります。誰でも新しい役割には不安がつきものです。
しかし、ここまで頑張ってきた自分を信じて、無理だと思わずチャレンジしましょう。間違いなく1年後には一回り成長した自分に出会えます。
上司は、後輩の成長はもちろん、先輩としてのあなたの成長にも期待して、指導役を任されたのではないでしょうか。
未熟であると遠慮する必要はありません。何より、現場で精一杯頑張って仕事を覚えてきたあなた、失敗から学んだことも多かったはずです。
「この帳票は、書損したら大変」「入力したら、送信の前にココとココをもう一度チェック」など、同じ失敗を繰り返さないよう、どこに注意をすれば良いか、ポイントを具体的に教えてあげることができるでしょう。
他の人に教えることが自身の勉強にもつながる
教える立場になると、学ぶことも多いものです。
アメリカの国立訓練研究所が示した「ラーニングビラミット」によると、もっとも定着率の高い学習法は「他の人に教えること」だそうです。物事を人に教えるためには、内容をしっかりと理解していなければいけません。「このイレギュラー対応は、規定のどこをみれば記載があったかな。」「この処理の根拠はどこだろう」など、今まで覚えてきた基本業務を、立ち止まって見直して、整理するいい機会と思ってください。
また、後輩の立場で考えると、年齢や経験年数も近いあなたなら、仕事の分からないところを尋ねたり、相談事もしやすいはずです。まだ仕事に慣れていない新人や後輩の指導をすることは、仕事を教えるだけではなく気持ちに寄り添って、精神的な支えになることも含まれます。
一緒に成長するつもりで頑張りましょう。
(近代セールス社『バンクビジネス』https://www.kindai-sales.co.jp/bank_business2021年度寄稿分を抜粋)