【第3回】「初めての先輩」のための“新人&後輩指導”

今回のお悩み

後輩が業務に少し慣れてきたのか、入行時の緊張感が薄れているようです。注意しても聞く耳を持たず、自己流で業務を進行します。こういう場合はどう指導すべきでしょうか?

業務に慣れてきたのは良いのですが、「自己流で業務を進行」。そのうえ「注意をしても聞かない」などは問題ですね。さあ、困りました…。
先輩としてはまず決められた手順で仕事をするよう改めさせねばなりません。
今回は、①ルールを守ることの重要性をどう教えるか②注意をする時のポイント。この2つについてお答えしましょう。

ルール遵守の重要性を伝える

金融機関の業務は、規定によって明確にルールが定められています。その規定の先には法令があり、現場でのマニュアルや手順もそれに従っています。
例えば後輩が「規定で“FAXを送るときはテスト送信の上、複数人で確認”となっているのにテストなしで送信した。」などの明確なルール違反が分かった時には、「もし番号を間違えて他人に情報が送られたら法令違反になる」「過去にどんな個人情報の流出があり、どのように謝罪したか。」など、他行庫等の例もあげて緊張感を持てるよう教えてあげましょう。
自己流のやり方にどんなリスクが潜んでいるかは、新人には想像もつかないものです。

配慮しながら注意する

ルール違反を注意する時のポイントは、「気づいた時に声をかける」です。
周りに配慮が必要ですが(大声での叱責はパワハラになりかねないので注意して)「あの時こうしていたでしょ?」「いつもこうだよね」と時間をおいての注意は、ピンとこない場合もあります。
自己流の進め方が後輩の「勘違い」だったり、逆に「効率的な工夫」だと思ってやっている可能性もあります。
面前札勘をしない新人によく理由を聞くと「札勘が下手くそなので恥ずかしかった。」ということがありました。
注意をしても聞く耳もたない(改善されない)のならば、何か理由があるか落ち着いた時に気持ちに寄り添って話をしてみましょう。

(近代セールス社『バンクビジネス』https://www.kindai-sales.co.jp/bank_business2021年度寄稿分を抜粋)